2006年7月 4日 (火)

ブログ移行のお知らせ

いつも「J SPORTS STYLE cycle road race BLOG ツールへの道~自転車レースの世界へようこそ」をご覧いただきましてありがとうございます。

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平均的フランス人自転車ファンのツールの過し方

 7月第1週から大型バカンスの波が始まるフランス。つまり自転車ファンは、望みさえすれば、3週間どっぷりTVの前でツール漬けになることができる。なにしろ朝から晩まで、ツール関連番組が盛りだくさんなのだから。

Village ・午前10:50~11:40 フランステレビジョン「ヴィラージュ・デパール」
前日のハイライトから当日朝の選手の様子までを、スタート地のヴィラージュ(スポンサーブース村)からお届け。かつての名選手やハリウッド大スターなども訪れるから見逃せない。目玉はスタート地の名物料理紹介。おなかの虫がそろそろなりだすころだ。

・午後、生中継開始前の30分 フランステレビジョン「ラ・レジョンド・ドゥ・ツール」
ツールの「生き字引」ジャンポール・オリビエ氏が、テーマに沿ったツール史を解説。メルクスやアンクティルなどの超有名選手から、名もないアシスト選手の物語まで映像とインタビューで紐解いてゆく。非常に勉強になります。

・午後14:20頃~ フランステレビジョン&ユーロスポーツ 生中継開始
いよいよ本番。といっても山岳ステージ(山岳は朝10時頃から放送開始となる)以外は、序盤はのんびり午後のお茶やアペリティフ(食前酒)を飲みながら?ちなみに今年のフランステレビジョン解説は、ユーロスポーツからフィニョンが大型移籍!頭の切れる素早い解説に、すでに評判は上々。逆に昨年スタジオに閉じ込められたジャラベールはバイク解説に戻り、こちらも水を得た魚のように生き生きとした実況が聞かれる。ユーロスポーツはヴィランク&デュランの黄金コンビ。

・午後17:30頃~18:45 フランステレビジョン「ヴェロ・クラブ」
「ジェイジェイ」ことジェラール・オルツ氏が、走り終えたばかりの選手を迎え入れてインタビューを展開。人の良い顔をしながら、遠慮なくスキャンダラスな問題にさくっと突っ込みをいれたりする。フランス公共放送のしかも生放送のため、質問によっては、後々大問題に発展することも多々あった。

・午後20:15~20:20 フランステレビジョン「アン・ジュール・スュール・ツール」
短いハイライト番組。

・午後21:45~22:45 ユーロスポーツ「ツールハイライト」
インタビューを交えた1時間ハイライト番組。

・深夜 ユーロスポーツ「シャッカン・ソン・ツール」
新開催委員長プリュドム氏、フォイクト(CSC)、コフィディスのチームスタッフ、アメリカ人ジャーナリストの4人を、3週間毎日追いかけ続けるもの。

 こうしてツールファンの夜はふけてゆく……。

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2006年7月 3日 (月)

呪われたツール!?

 前日の騒動で幕を開けたツール・ド・フランスは、第1ステージも大アクシデントに見舞われた。特に目の前5mのところで黄色い影が音もなく倒れこみ、赤色がどんどん広がるのが見えたのにはかなり衝撃を受けたが……。

ハスホフト:PMU緑の手で右腕を長さ5cmほど切る
ボーネン:観客のカメラにぶつかる
ザブリスキー&ゴメスマルチャンテ:ハチに刺される
デゥエナス:歯が痛い

 幸いなことに、4人とも無事に第2ステージ出走予定!

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2006年7月 2日 (日)

Allez les Bleusのおかげで

Une  ツール史上でもまれに見るスキャンダルが起きた割には、フランスメディアの扱いは控え目。理由は簡単。サッカーフランス代表の快進撃が同時に進んでいるから。そして普段はレキップ一面トップ扱いのツール開幕ニュースも、なんと白黒ページ扱い……。TVニュースもウルリッヒ&バッソそっちのけで、ジダンやアンリに夢中だ。唯一黄色い表紙でツールを歓迎してくれたのは、ストラスブールの地元紙DNAだけ。

 ハスホフトがプロローグを勝ち取った翌日、7月2日の紙面も、フランスがブラジルを撃沈したニュースで持ちきりに違いない。ツールが一面トップを取り戻すのはいつの日か!

(写真:ツールを創設したはずのレキップ紙の、プロローグ当日の一面。ツールについては情報に小さく「嵐の後にツール出発」とだけ書いてある)

Asaka MIYAMOTO

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2006年7月 1日 (土)

認めた選手、認めない選手

Csc_1  6月30日の朝、AG2Rのヴァンサン・ラヴニュがマンセーボに会いに行った時、マンセーボはこう言ったという。

「もう終わりです。僕はここから立ち去ります。自転車を降りますよ」

 ラヴニュはこれをある種の「告白」とみなして、これ以上何も聞かなかったそうだ。一方でリストの件を告げられたバッソは、かなり驚いて「僕は何も知りません」と言ったとか。しかしリース監督は「私の責任の名の元に」バッソにツールから立ち去るよう告げている。

 プレスルームではなく、滞在ホテルで記者会見を行ったTモバイル。ウルリッヒも「何も関係のないこと。僕は犠牲者ですよ」との発言を残して、ツールを立ち去った。

(写真:午前10時頃には「はっきりしたことが分かるまで、バッソの進退は決めない」と言っていたリース監督。午後13時50分から始まった会見で、バッソの不出場が発表された)

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大激震

 2006年ツール・ド・フランス開幕前日、9人の選手と1人のチーム監督がツールから立ち去った。

 5月23日に露呈したスペインドーピング禍に関わりのある選手リストを、スペイン司法が正式発表したことが発端だ。関わりのあったのは4チーム。それぞれが一応、「自主判断」で当該選手・監督のツール出場を取りやめている。

■T-モバイルチーム
Jan ULLRICH
Oscar SEVILLA
Rudi PEVENAGE(監督)

■チームCSC
Ivan BASSO

■AG2R
Francisco MANCEBO

■アスタナ・ウルト(※最終的にチーム全体が出場を取りやめた)
Sergio Paulinho
Isidro NOZAL
Allan DAVIS
Alberto CONTADOR
Joseba BELOKI

Aso  またチーム監督会議では、不出場選手の穴を補欠で埋めないことが全会一致で決定された。これは自転車競技は正々堂々とドーピング問題と戦い、不正には簡単に屈したりしない、という強いアピールなのだ。

「潔白な選手が、あくまでも潔白であることをファンに証明できるように、今後も司法調査は続けて欲しい」

 マンセーボの代わりに、AG2Rのリーダーに昇格したモローはこう力強く述べた。7月1日に始まるツール・ド・フランスが、100%潔白な選手たちによる素晴らしいレースになるよう、誰もが願っている。

(写真:記者会見で新ディレクターのプリュドムはあくまでも毅然と振舞った。その横で、ルブランは疲れた様子を隠せない)

Asaka MIYAMOTO

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2006年6月30日 (金)

ツールが街にやってきた!

Quai  2006年ツールのグラン・デパール地はドイツ国境のストラスブール。その隣国で行われているサッカー世界大戦のおかげで、チームプレゼンテーションはいつもよりも1日早い木曜日に行われた。

 週末にはちょっぴり早いとはいえ、18:30から行われたプレゼンテーションには鈴なりの人・人・人。特にストラスブール市内をゆったりと流れるリル川のほとりで選手たちのお披露目が行われたため、対岸からファンはじっくりと眺めることが出来たようだ。しかも選手たちは船に乗って登場し、船に乗って退場。つまり上流から下流まで、街のいたるところで選手の姿が堪能できた。

 しかしツールを受け入れるのも、住民にとっては楽じゃない。28日午後からすでに道路閉鎖があちこちで始まり、29日は町外れの大会本部周辺とプレゼンテーションが行われた市中心部は道路閉鎖+路駐完全禁止。そして7月1日と2日は、実際に街中でステージが行われるため、ほぼ全市の交通網が麻痺するのだろう。

Moreau  とはいっても、ストラスブールはフランスでも指折りの自転車都市。街のいたるところに自転車専用レーンが敷かれ、車の渋滞を横目に、たくさんのサイクリストたちが通りを颯爽と走り抜けていた。

(写真上:かわいい木組みの家で有名な川岸に、観客達が詰め掛けた。
写真下:ストラスブールからそれほど遠くない町で生まれ育ったモローには、多くの声援が飛んでいた。)

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2006年6月28日 (水)

プロローグの夜は…サッカー!

 フランスサッカー代表が、W杯で準々決勝進出を決めた。試合終了後から1時間以上たっても、(まるで優勝したかのように)パリではあちこちでクラクションが鳴り響き、若者達の歌い声こだましている。まあ4年前の屈辱を思えば、待ち焦がれた勝利への喜びが爆発するのも当然か。

 そのフランス代表が準々決勝ブラジル戦に挑むのが、7月1日の現地時間21時。なんと、ツール・ド・フランスの初日プロローグの夜である。フランス選手やフランス人ジャーナリストたち、そしてもちろん全てのフランススポーツファンが、きっとツール初日の疲れそっちのけでTVにかじりつくことだろう。

 ツール開催委員会もその辺はよ~く了解済み。例年プロローグは夕方遅い時間帯に行われるものだが、今年はW杯時間に合わせて16時15分頃には終了する予定だ。おかげでレース後にそれぞれの仕事を終えて、落ち着いてサッカーに集中することが出来るというわけ。

 ちなみにプロトン内に多数送り込んでいるドイツとイタリアは、それぞれプロローグ前日の17時と21時がキックオフ。特にイタリア戦は終了が23時だから、興奮して選手たちが寝不足になったりしないといいけれど。

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2006年6月27日 (火)

ヴィノクロフのツール出場危うし!

 6月26日(月)、ツール・ド・フランス開催委員会が、アスタナ・ウルト(旧リバティセグロス・ウルト)に自ら出場辞退するよう申し出た。UCIから正式にアスタナ新スポンサーが認められ、新ジャージがお披露目され、これでツール出場にゴーサインが出たと思った途端の青天の霹靂(青天ではなかったかもしれないが)。しかもアスタナが自ら出場辞退しなかった場合は、ツール側がスポーツ調停委員会に異議申し立てをするだろうというおまけ付き。

 これは98年フェスティナ事件で大ダメージを受け、ほんの少しの疑惑でも排除しようと努めてきたツール・ド・フランス側の、強い意思表示である(確か当時も、規則によりツール側がフェスティナを失格にすることは出来ず、大会委員長ルブラン氏が選手たち自ら大会を去るよう説得したのだった)。2004年ツールでは、警察の調書リストに載っているというだけで「潔白」のディルーカを出場拒否し、論議を醸し出している。

 しかしヴィノクロフはどうなるの!?ツール優勝を目指すために、Tモバイルを離れて新天地にたどり着き、自らの影響力でスポンサーも探してきたというのに。気になる最終的な出場可否については、おそらく直前まで答えが出ないことだろう。

 いずれにせよレース後3キロでボイコットになったスペイン選手権の例から見ても、アスタナ・ウルトの処遇がどうなるにせよ、2006年ツール・ド・フランスでは何かとんでもないことが起こるかもしれない……。

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2006年6月26日 (月)

各国チャンピオン誕生。

 先週末には世界のあちこちで、各国選手権が行われた。つまりツール・ド・フランスでは、新たなナショナル・チャンピオンジャージをまとった選手たちを発見することができるのだ!ちなみにTTチャンピオンは個人タイムトライアルで、ルートチャンピオンは通常ステージで、各国国旗を彩ったジャージを着用する。

<ツール出場予定のチャンピオンたち>

■フランス
ルート ブラール(ケース・デパーニュ)
TT シャヴァネル(コフィディス)

■オランダ
ルート ボーヘルト(ラボバンク)
TT クレメント(ブイグテレコム)

■カザフスタン
ルート カシェキン(アスタナ・ウルト)

■ドイツ
TT ラング(ゲロルシュタイナー)

■イタリア
TT ブルセギン(ランプレ)

■スウェーデン
ルート ロヴクリスト(フランセーズ・デ・ジュー)

<ツールには出場しないけれど……、プロツールで会いましょう!>

■イタリア
ルート ベッティーニ(クイックステップ)

■スイス
ルート ラスト(フォナック)
TT カンチェラーラ(CSC)

■ルクセンブルク
ルート キルシェン(Tモバイル)

■日本
TT&ルート 別府史之(ディスカバリーチャンネル)

<ドーピング禍まだまだ続く>

■スペイン
ルート ドーピング関連の新聞記事に反発して、3km地点でボイコット。

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